墨出しの外注先は、電話3分で見極められる

初めて頼む会社に電話をかける。単価は聞ける。しかし、いい会社かどうかはどう判断するのか。この記事は、初回の電話で聞ける質問と、その答えから何が分かるかに絞って書きます。会社案内やホームページを見比べるより、これのほうが早い。

単価より先に、範囲が合うかを見る

最初に確認するのは金額ではありません。範囲が合わない会社の単価は、安くても意味がないからです。

聞き方は単純です。「うちは○○市の現場で、躯体の基準墨と子墨、外構の丁張まであるんですが、どこまで対応されますか」

会社によって線引きがはっきり違います。

「墨出しはできるが丁張はやらない」という会社は珍しくありません。外構や造成が絡む現場では、ここで先に絞れます。

「基準点はどう張りますか」で実力が出る

これが最も差が出る質問です。

トータルステーションを持っているかどうかは、会社案内を見れば分かります。しかし機器があることと、正しく使えることは別です。据付、後視の設定、器械高の測定。どれか1つ狂えば、機器の精度がいくら高くても答えは狂います。しかも狂ったまま数字が出るので、その場では気づきません。

だから聞くべきは「持っていますか」ではなく「どう張りますか」です。

閉合トラバースを組んで閉合差を確認する、という答えが返ってくれば、精度を数字で管理する習慣がある会社です。「現場を見て決めます」で止まるなら、その習慣がないかもしれません。

高層の現場なら、もう一段聞けます。「上階の基準墨は下から写しますか、基準点から直接出しますか」。基準点から直接出せる会社は、階数が増えても誤差が一定に保てます。

1人応援で誰が来るか

「1人だけお願いしたいのですが」と言ったときの返答を見ます。

基本の体制は職長と手元の2人1組です。1人応援に対応する会社もありますが、そのとき誰が来るかを確認してください。

職長クラスが入るなら、現場に着いてすぐ動けます。図面を読んで基準を判断できるからです。手元が来るなら、施工管理が張り付いて指示を出すことになります。同じ「1人」でも、こちらの手間がまるで違います。

この時間は見積に載りません。安く見えた見積が結果として高くつく経路の1つがここです。

書類の話を先にできるか

「安全書類は何日くらいで出せますか」と聞いてみてください。

慣れている会社は、テンプレートがあること、必要な資格証がすぐ出せること、過去にどの元請の現場に入ったことがあるかを具体的に答えます。慣れていない会社は「確認します」で止まります。

急ぎの依頼では、人の確保より書類が先に律速になります。ここを即答できる会社は、入場までが早い。

増員に応じられる体制があるか

「始めてみて足りなかった場合、追加できますか」

自社の職人だけで回している会社は、手が空いていなければそれで終わりです。他社と組める体制がある会社なら、「対応できる人がいない」という状況が起きにくい。

当初2人で足りると思っていたが実際は足りなかった、というのは普通に起こります。最初の見積が安いことより、こちらのほうが効く場面が多い。

遠方をどう扱うか

対応エリアの外をどう扱うかは、方針が分かれます。

一律で断る会社と、条件次第で受ける会社があります。宿泊が伴う現場を受けるか、その場合の交通費・宿泊費をどう見るか。現場が広域に散る元請ほど、この差が効いてきます。

聞く順序

初回の電話で全部聞く必要はありません。優先順位はこの順です。

  1. 対応できる工程の範囲
  2. 基準点をどう張るか
  3. 1人応援のときに誰が来るか
  4. 安全書類の段取り
  5. 増員への対応
  6. 対応エリアと遠方の扱い
  7. 金額

金額を最後に置くのは、意地悪ではありません。1から6が合わない会社の見積を取っても、比較のしようがないからです。

会社案内に書いていないこと

保有機器の一覧や施工実績の件数は、どの会社の資料にも載っています。それを見比べても差は分かりません。

差が出るのは、現場の条件を伝えたときに、どういう段取りを返してくるかです。「その現場ならまず基準点を2点取って、○階まではそこから直接出します」と具体的に返ってくるか、「大丈夫です、対応できます」で終わるか。

3分の電話で、これは分かります。

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